紀宝町立相野谷中学校で25日、2年生が人権防災学習の一環として企画した避難訓練が行われた。より実際の災害に近い状況をつくろうと、ほかの生徒には日時や時間を知らせずに実施。訓練後にはグループで自分たちの行動を振り返り、安全に避難するために必要なことや課題について考えた。
2年生は総合的な学習の一環で、従来の防災教育に人権尊重の視点を取り入れた学習に取り組んでいる。これまでにも、プライバシーや安全に配慮した避難所運営について考えるなど、災害に負けない学校づくりを目指している。
今回は、「災害はいつ起こるか分からない」と、より実践的な訓練を企画。同校では、地震や火災の発生を想定した訓練を年に数回行っているが、いずれも事前に生徒に実施を知らせており、抜き打ちでの訓練は初めてという。
訓練は5時間目の授業中、技術室から出火したとの想定で、非常ベルと校内放送を合図に開始した。生徒は放送から火災の発生場所を確認し、口や鼻を手やハンカチなどで覆ったり、姿勢を低くしたりしながら運動場へ避難。点呼をとって全員の無事を確認した。
終了後、生徒は4班に分かれ、どのような行動をしたか、突然訓練が始まってどう感じたか、安全に避難するにはどうすればよいか−の3点について意見を交わした。
「最初は誤報だと思い、行動を起こすのが遅れた」「警報音が小さくて危機感を持ちにくかった」「地震は揺れで分かるが、火災は炎が見えないと実感しにくい」など、予告なしの訓練ならではの意見が出た。また、「放送をよく聞いて冷静に行動する」「火災場所から逃げ道を考える」などの対策や、放送を最後まで聞いてから動くのか、火災場所を把握した時点で避難を始めるのかといった疑問についても話し合った。
仲森久校長は、実際の災害は日時や天候を選ばないとし、放送内容をしっかり聞いて次の行動を判断することの大切さを伝えた。警報音など、浮かび上がった課題についても改善の必要性を指摘し、「今回のことを踏まえ、次回の避難訓練に生かしていきましょう」と呼び掛けた。
