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被災者にどう寄り添う 婦人の会 能登支援に心のケア学ぶ

 尾鷲市婦人の会連絡協議会の講演会が3日、市立中央公民館で開かれ、会員ら約70人が災害避難所での被災者の心のケアについて学んだ。2024年1月1日の能登半島地震で災害派遣精神医療チーム(DPAT)として被災地の支援に入った、県こころの医療センター看護師長の岩佐貴史さん(46)が被災者に寄り添うメンタルヘルスの重要性を説いた。
 
 岩佐さんは能登半島地震の犠牲者について、死者が700人を超える一方、半数以上が建物倒壊や津波による直接死ではなく、避難生活や環境変化の中で命を落とした人々だったと説明した。「避難訓練や災害の知識を高めることは重要だが、心のケアは一般市民にはまだ十分浸透していない。災害後の幅広い対応につながる知識を得て、今後の災害対策の糧にしてほしい」と呼びかけた。
 
 心の支援で最も大切なのは、被災者が「ここにいて大丈夫」と感じられる安心感だと強調。災害後には精神科の病気に近い症状が現れることがあり、震災でつらい経験をした人の2~3割がPTSD(心的外傷後ストレス症)やうつ状態、強い不安・パニックなどを示す可能性がある。「一人で抱えず相談することが大事」とし、男性は女性より相談行動が少ない傾向があると注意を促した。
 
 声をかける際は、まず被災者の様子をよく観察し、体調や困りごとを把握することが重要。得られた情報を踏まえ、必要に応じて専門家につなぐ。岩佐さんは「命が助かっただけよかった」「早く元気を出して」の言葉は禁句だとした。
 
 安心につながる声かけは「大丈夫ですか」よりも「今、困っていることはありますか」が適切で、「『大丈夫じゃない』と言える雰囲気をつくり、安心して困りごとを話せる関係づくりが大切」と述べた。
 
 参加者が避難所の支援者になった想定で、被災者への声かけを考えるミニワークも行われた。「家がどうなったか分からない。もうだめかもしれない」と涙を流す被災者に対し、どんな言葉が適切かを相談。発表した参加者は「それは心配ですね」「不安ですね」と共感を示すことの大切さを学んだ。
 
 使命感が強い人ほど、自分の疲れに気づきにくい。岩佐さんは「支援する側も疲れる。自分の心を守るのも防災の一つ」と述べ、災害対応が終わった後は支援者自身がしっかり心をケアする必要性も訴えた。

      7月 4日の記事

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