尾鷲市で調達したマグロとカツオの生節を具材に取り入れ、公益社団法人日本中国料理協会主催の「2026ご当地ギョウザコンテスト」で三重県支部金賞を獲得した亀山市の料理人が5日、加藤千速尾鷲市長に受賞の喜びを報告した。
亀山市みずほ台の中華料理店「中国名菜しらかわ」のオーナーシェフ白川貴久さん(50)が出品したのは、地域の歴史や風土から食を捉える「三重県ガストロノミー揚げ餃子(ギョーザ)」。マグロは長久丸冷蔵の血合と皮を、カツオ生節は老舗の大瀬勇商店の看板商品を使用。さらに伊賀市「みえジビエ」の鹿肉と練り合わせ、独自の味わいを生み出した。
コンテストは各地の地産食材を使ったアイデアあふれるレシピを競い、支部(都道府県)ごとに地域色豊かな作品を選考した。金賞は最高賞にあたり、白川さんは昨年の春巻きコンテストに続き2年連続で金賞に輝いた。
白川さんが尾鷲の食材と出会ったのは、4月に熊野市で開かれた料理イベントがきっかけ。伝統食材や未利用部位を生かしたいと考えていた白川さんに、関係者がマグロの血合いや皮、生節を紹介したという。マグロの2品は、どちらも売り物として扱うことがほとんどない未利用部位だ。
尾鷲市役所で白川さんは「尾鷲の食材、生産者の皆さん、そして地域そのものが評価された結果。私はその魅力をギョーザという形で表現しただけ。今後も尾鷲の魅力を発信していきたい」と感謝を述べた。
加藤市長は「尾鷲には良い食材があるが、全国に発信する仕組みがまだ乏しい。発信力のある町にするには中心となる人が必要。尾鷲の食材を広めていただきありがたい。今後もいろんな食材や情報を提供したい」と期待を寄せた。
試食も行われ、市長や市の関係職員らは具材がぎっしり詰まった濃厚な味わいを楽しみ、虎の尾をベースにした特製スパイスでも味わった。
マグロの皮はコラーゲンが豊富でうま味を増すが、ほとんどが廃棄されているのが現状。白川さんは「隠れた食材に光を当てたかった」と話し、今後は自店のメニューにも取り入れる予定だ。
表敬訪問には生節を提供した大瀬勇商店の大瀬邦裕さん、長久丸冷蔵の大門利江子さんも同席。大瀬さんは「生節のパサつきがなく、とても食べやすくてクセになる」と絶賛。大門さんは「皮と血合いの新しい食べ方に驚いた。これを機に多くの人に知ってほしい」と期待を語った。
