尾鷲市古戸町の紀北信用金庫本部で15日、首都圏への販路拡大を目指す食品事業者を対象としたセミナーが開かれた。行政関係者も交えた16人が参加し、バイヤー目線から見た売れる商品作りと販売力強化のポイント、マーケティングの概念などについて学んだ。
市や尾鷲商工会議所と連携して地元事業者の販路拡大を手助けする「地域事業者伴走型支援事業」の一環。各地のこだわり商品を扱う卸売会社「五味商店」(千葉県我孫子市)の寺谷健治社長が「売れる商品作りと販売力強化」、流通コンサルタント会社「ネイビープランニング」(埼玉県上尾市)の溝口康代表が「不透明な時代にこそ、この機会を活かしましょう」のテーマで、オンラインで講演した。
開会のあいさつで、紀北信用金庫の喜多正道理事長は「原材料高騰や石油製品価格の上昇など依然として厳しい状況が続いている。加えて人口減少や地域経済の縮小が進む中、地域内だけではなく、首都圏をはじめとした域外市場へ積極的に挑戦してくことがこれまで以上に重要になっている」などと述べ「セミナーで売り上げや利益向上のヒントをつかんでいただき、今後の人材確保や設備投資、さらなる事業発展につなげていただきたい」と述べた。
過去5年間に五味商店で取り扱った支援事業参加は13社。そのうち、売り上げがあった11社の5年間の累計は約1400万円。毎年売り上げを重ねて1社で500万円以上の売り上げがあった事業者もある。
講演で寺谷社長は「今年度は一社当たり月商15万円、年間売り上げ180万円を目標に取り組んでいきたい」とした上で、「他力本願ではなく、自分の力で商品を売り込むという認識を持っていただきたい。何をなすべきかを理解し、着実に実行した結果として目標を達成することができる」と述べた。
客にとっての価値を伝える
寺谷社長は売れる商品作りについて「客にとっての価値を常にお客様目線で伝えること。客のライフスタイルを観察し、それに合った商品を作るという販売戦略が必要。もう一度、洗い直してほしい」とし、バイヤーが求めることとして商品の価値と取引条件を挙げ、「商品価値としてバイヤーが重視するのは味。尾鷲の魚はすごく新鮮で、原材料としても十分競争力はある。その価値が伝わらないと採用してもらうのは難しい。味の良さを裏付ける証拠を伝えていただきたい。バイヤーは集客できるか、売り上げが取れるか、店に置くことによってイメージが上がるか、そういう商品を求めている。客に喜んでもらえる商品であることを伝えていただきたい」などと語った。
今年度は食品部門の販路拡充で尾鷲市と熊野市の2社を支援。この後、Webでの商品評価会や東京でのこだわり商品展示会、商品ブラッシュアップ、参加事業者の事業所訪問、2月に千葉幕張メッセで行われる商談展示会への出展などを予定。
また、尾鷲市と熊野市の2社がしんきん地域ネット営業代行を活用して販路拡大に取り組む。
