4月を迎え、新年度が始まった。官公庁や企業では人事異動や新入職員の受け入れが続き、学校では新しいクラスや学年が動き出す。期待に胸を膨らませ、一歩を踏み出したことだろう。
生活に関わるさまざまな制度も変更となった。少子化対策の財源とする支援金制度は、公的医療保険に上乗せして国民に負担を求める。高校の授業料無償化は、所得制限を完全撤廃するなど大幅に拡充。自転車を運転する16歳以上の交通違反者に「青切符」を交付して反則金を科す制度も始まった。
本紙エリアの各自治体では、3月議会で1年間の住民サービスに充てるお金の使い道を決めた。物価高騰対策として、国の交付金を活用して商品券を配布するところが大半だった。生活に密着した支援に住民の関心は高く、新宮市では、ゆうパックでの配布に時間差が生じることに「いつ届くのか」との問い合わせが相当数あったほど。二の矢、三の矢を放つ自治体が出てくるのか注目される。
いつにも増して変化の多い新年度のスタートだが、さまざまな変化に目をそらすのではなく、正面から向き合う出発点としたい。
行政や議員には住民目線で仕事をしてもらうのが第一。住民は丁寧な説明を求め、声を取り入れてほしいと思っている。意見を全て反映させるのは無理だが、当局が考えていることやその理由・根拠をきちんと説明することが、円滑な事業執行につながる。説明手段については、広報紙やホームページを活用するのがこれまで一般的だが、世代に応じた手段をそろそろ取り入れてはどうか。若い世代にはSNSを活用し、同世代の職員から発信すれば興味・関心をもってもらえるのではないか。議員も仕事ぶりを理解してもらうため一般質問の“質”を一層高めてもらいたい。
住民側も行政や議員がしっかりと務めを果たしてくれているかどうか、仕事ぶりを確認する意味でも、一人一人が政治に関心を向けることが大切になる。
今月は任期満了に伴う那智勝浦町長選(21日告示、26日投開票)が控えている。立候補予定者説明会には3陣営が出席したが、このうちの1陣営は「将来のステップの参考。今回の出馬は考えていない」としており、すでに立候補を表明した3選を目指す現職と、元町議の新人の一騎打ちとなる可能性が高い。町の代表的な産業である観光と水産の振興、庁舎の移転を含めた防災対策などが争点になるが、それぞれ有権者に分かりやすい公約を打ち出し、論戦が展開されることを期待したい。
