一般社団法人日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)は22日、御浜町阿田和の寺谷総合公園でクマノザクラの観察会を開いた。近隣市町を中心に東京都などから約20人が参加。数種類のサクラの枝を比較しながら、それぞれの特徴やクマノザクラの見分け方を学んだ。
クマノザクラは2018年、10種目の国内の野生のサクラとして、約100年ぶりに確認された新種。紀伊半島南部の三重・和歌山・奈良の一部に分布し、淡いピンク色の花を咲かせ、ソメイヨシノよりやや早く開花するなどの特徴がある。
同公園はクマノザクラの新たな名所を目指し、3か年かけて公園をクマノザクラで囲む「三重県さくらプロジェクト」の一環として、園内に500本の苗木を植樹している。今年度はオレンジロード沿いにも植え、数年後には車窓からも桜並木が見えるようになると期待されている。
観察会では勝木会長が、ヤマザクラやオオシマザクラ、オオシマザクラとエドヒガンの交配種であるソメイヨシノと、クマノザクラの違いを解説した。
特にヤマザクラとの見分け方のポイントとして、クマノザクラは開花時期が早く開花時に葉がほとんど伸びず、1つの花序に2輪つくことが多いほか、花柄の付け根の苞が丸形や逆三角形である点が特徴。一方、ヤマザクラは純白で開花と同時に葉が伸び、1つの花序に3輪以上つき、苞は細長い楕円形と説明した。ただし、早咲きのヤマザクラや両者の交配種も存在するため、「見分けが難しい場合もある」と話した。
このあと、紀宝町鵜殿の町福祉センターで講演会も開催。勝木会長は温暖化の影響で国内に多く普及しているソメイヨシノの開花サイクルに影響が出ている点を指摘し、今後気温がさらに上昇すれば、将来的に開花が困難になる可能性にも言及。暑さに強い品種に転換する方法を示し、「100年先を見据えれば、紀伊半島でのクマノザクラへの期待は大きい」などと話した。
自生地を紹介

紀伊半島に自生するクマノザクラを写真で紹介するフィールドブックも発売されている。写真家の寺澤秀治さんが2018年から各地で撮影した写真を収録し、南郡熊野市や新宮東牟婁地方、奈良県十津川村や下北山などの分布を紹介している。問い合わせは、日本クマノザクラの会にメール(▼下記参照)。
▼メールアドレス
(info@kumanozakura.com)
