三重県「さくらプロジェクト」玄工山植樹祭が8日、尾鷲市の八鬼山山麓にある玄工山で行われた。「いきいき尾鷲っ子」の子どもとその保護者を含め約50人が参加。クマノザクラの苗40本を植樹した。
市制70周年の取り組みの一環。親子での植樹を通じ、子どもたちと成長していく桜を身近に感じてもらうことで地域への愛着を育み、持続可能な尾鷲の未来について考えるきっかけにしてもらうことが目的。
公益財団法人岡田文化財団が、三重県に桜の名所を増やすために一昨年から今年までの3か年で、公募で県内45か所に合わせて5000本の桜を植樹する「さくらプロジェクト」を行っており、苗木の寄贈を受けた。
本来は同財団の辻晴芳理事らが訪れる予定だったが、大雪のため急きょ欠席。同プロジェクトに関わっている樹木医で株式会社三重造園=菰野町=の早野愛花社長が、辻理事のメッセージを代読。「日本では桜を育て、満開の桜の下、お花見に地域の人が集い、笑顔が広がる場所を守ってきた。今回の植樹を通じてこの大切な文化に思いをはせ、素晴らしい自然の中で、楽しい、思い出深い体験になれば幸い。桜の木々が大きく成長し、ここが皆さまに愛される場所になることを祈念する」と語った。
加藤千速市長は、同財団から尾鷲節コンクールをはじめ、市の文化振興に多大な支援、協力を受けているなどと感謝を示し、「玄工山は尾鷲市内の桜の名所の一つ。昨今、老木化、台風による倒木、病気で大きな影響を受けている。その中で新たな植樹ができることは喜ばしい。子どもとともに成長していく桜を身近に感じていただきながら、季節になれば、家族や友達と満開の桜を楽しんでいただければ」と呼び掛けた。
記念撮影と市長らによる5本の木の記念植樹の後、子どもたちが道路沿いなどを中心に植樹を行った。
クマノザクラはソメイヨシノと違い慎重に植えることが必要で、子どもたちは事前に植えられた苗木の根に肥料を掛け、周りの土をかぶせて固めた後、名前の書いた木の板を近くに固定した。
中平桜愛さん(尾鷲小2)は「シャベルは重かった。桜の木が大きくなるのが楽しみ」と話していた。