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21文字を力強く臨書 尾鷲高書道部

県高文祭で特選
 
 県立尾鷲高校書道部長で2年生の太田來更(きさら)さん=尾鷲市上野町=が、10月18日から20日まで津市一身田上津部田の県総合文化センターで行われた第45回みえ高文祭の書道部門で特選に入賞し、県代表として来夏に香川県で開かれる全国高等学校総合文化祭に作品を提出することになった。太田さんは「去年は賞を取れなかったので、今年は取りたいと思っていた」と喜んだ。 

 同部門は県内の高校書道部の作品を展示、審査する。今年は100点が出品された。上位5点を特選としている。

 太田さんは、明末清初の文人、書家、官僚の傅山(ふざん)の詩の一部21文字を縦170センチ、横67センチの紙に臨書した。

 臨書は、古典作品をそっくりまねて書くことだが、潤滑や、行間の余白と文字の一画で流れを作ることなど自身ならでは趣向を取り入れた。行草体と呼ばれる書体で「行間がそろっていると平凡になるので、紙面の中で流れがでるように工夫した」という。

 1枚書くのに早い時で40分ほど、時間がかかった日は1時間ほどかけた。作品の構想が固まったのは6月半ば。9月の締め切りまでに約100枚書いたという。墨がたっぷり乗っている字とかすれを入れた字、行間のバランスなどを調整するのが難しかったという。また、落款部分にもこだわった。

 黄味がかった紙を使うなど額装を含めた作品作りを意識して仕上げた。紙のサイズが特殊で切った紙と貼り合わせていて、字を書かずに用紙だけを作る日を設定して取り組んだ。

 太田さんは「細かなものより、迫力のある字を大胆に書くのが好き」と、題材に選んだきっかけを説明。「何枚も書いていると、悪いところばかり見えてきて自信がなくなってきたけど、受賞できてうれしかった」と感想を話した。

 全国大会には別の作品を出す。「出て来る作品も(県大会より)多い。賞を取れるように気合を入れて頑張る」と意気込みを示した。

 全国大会には約300点が出され、入賞は50点。岸本一哉顧問は「センスのある生徒。思い切りの良さがうまく表現された。全国大会では、三重県代表として賞をいただけるとうれしい」と話していた。

 作品は2日、3日に開かれる尾鷲市民文化展で見ることできる。

      10月31日の記事

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