第５０回衆議院議員選挙は２７日、投開票された。和歌山２区では、無所属新人で、参議院議員からくら替え出馬した世耕弘成氏（６１）が初当選を果たした。世耕氏は自民党派閥の政治資金裏金問題で処分を受け離党して臨んだ選挙だったが、自民党新人で二階俊博元幹事長の三男・伸康氏（４６）との保守分裂の選挙戦を制した。

 

　世耕氏と二階氏のほか、立憲民主党新人の新古祐子氏（５２）、日本共産党新人の楠本文郎氏（７０）、諸派新人の高橋秀彰氏（４２）が立候補。南北に広い地域で激しい選挙戦を繰り広げた。

 

　田辺市稲成町の世耕氏の事務所では、午後８時早々に当選確実の報道が流れると間もなくして世耕氏が到着。支援者とともに万歳三唱で初当選を喜んだあと、「（裏金事件について）真摯に反省しなければならない。『しっかり仕事をせよ』という皆さんの声をいただいた。責任を持って『政治とカネ』の改革、政治資金の透明化に取り組みたい」とあいさつした。

 

　選挙戦を振り返り、「準備期間が少ない中、党も組織もついていない手探りの選挙戦だったが、中盤から自分でも感じるぐらい熱気が上がっていった」と語り、保守分裂については「支持してくれた人、参院時代から応援してくれたが今回は応援できないという人、いろいろな人にご迷惑をかけた。このタイミングで転戦（くら替え）するしかないという苦渋の決断だった。選挙が終わればノーサイドの精神で、できる限り融和に努めたい」と述べた。

 

　衆議院議員としては初当選となるが、「参議院議員として２６年間やってきており、即戦力だと思っている。今は無所属だが、自民党にも多くの仲間がいる。一緒に頑張っていきたい」と意気込みを示した。

 

　世耕弘成新宮後援会の小林勝会長は「苦しい選挙戦だったが、後援会の皆さんやスタッフ一同の頑張りのおかげ。和歌山のため、新宮のため、国の中央で十二分に力を発揮して頑張ってほしい」と期待を込めた。