紀南地方随一の規模の秋まつりで、国の重要無形民俗文化財に指定されている「新宮の速玉祭」(熊野速玉大社例大祭)が今月15日(火)と16日(水)の2日間、同大社と新宮市内街路、熊野川などを舞台に行われる。夫婦の神様が2日間に分けて渡御する祭りで、神馬、神輿、神幸船にそれぞれ遷して渡御する様子は、どの場面も華やかで、勇壮な雰囲気が伝わる。
例大祭の開催日は変動しないため、今年は2日間とも平日にあたる。子どもたちには地元の伝統の祭典に触れてほしいが、なかなか難しい環境。以前、上野顯宮司もこの件について、もどかしく感じていた。
地元の生きた教材はぜひ、学校教育の現場で活用することを考えてほしい。神輿の担ぎ手はもとより、早船の漕ぎ手についても近年、集めるのに苦労する出船区もある。子どもの頃に祭りに触れることで、その感動が記憶に残り、大人になって参加したいという気持ちになるのではないか。
大社や祭典関係者側も事前に“出前授業”で各校をまわるなどして祭りのPRに努めることも一つ。次世代への継承へアクションを起こしてほしい。
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