元日の地震からの復興の最中、能登半島を記録的な豪雨が襲った。河川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、仮設住宅の一部が床上浸水に見舞われた。仮設住宅の整備の遅れが指摘されていたが、平地が少ない山間部の自治体で安全な用地確保が難問であることは想像しやすい。「心が折れた」という被災者の声に、言葉がない。
防災月間の特集で、被災地に応援派遣された尾鷲市職員の避難所運営支援活動を紹介した。防災講話で聞いたのがきっかけで、特に被災者の意見相反や負担の偏りに言及していたことが非常に重かった。災害直後の対応、長期にわたる復興は、どうしても被災者自身にかかるところは大きくなる。
阪神淡路大震災で耐震基準や避難所運営の在り方が見直され、東日本大震災で津波の恐ろしさを見せつけられ、熊本地震では本震は最初だという考えが覆された。改めて、天災は想定外のことが起こるのだと痛感する。南海トラフ地震の被害を少しでも防ぐために、今の能登半島から学ばなければならないことは多い。
(R)