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社説「時流に乗ったHPに刷新を」

 新宮市のホームページ(HP)を開くと、「新型コロナ関連」の項目がいまだにトップ画面に出ている。昨年5月に感染症法上の5類に移行されたタイミングで、多くの自治体はそれまでのトップ画面への掲載から縮小する形をとった。本紙エリアの他の自治体のHPも確認したがトップ画面への記載はなかった。那智勝浦町は世界遺産登録20周年で登録物件や行事を紹介し、太地町は「ひとにやさしいまち・太地町」として目玉施策を紹介している。

 HPは、住民への広報のみならず、都市部に住む地元出身者や地方への移住を考えている人、さらに観光客へのPRに有効な手段と言える。トップ画面が見やすく、インパクトのあるものだと、中身をしっかりと見ようとするだろう。しかし、新宮市のように時流とかけ離れたものになっていると、果たしてどうか。
 
 「第12回住みたい田舎ベストランキング」(宝島社「田舎暮らしの本」2024年2月号)で、2年連続全4部門(総合、若者世代・単身者、子育て世代、シニア世代/人口10万人以上20万人未満の市)の1位となった愛媛県今治市。HPのトップ画面で「いまばり暮らし」と題し、空き家バンク、まちの魅力、移住の進め方、先輩移住者の声、就職や起業支援情報、補助金の案内などを分かりやすく紹介しており、読み進めると確かに「住んでみたい」と思わせる内容だ。
 
 地方の人口減少が今後も加速することが予想される中、田舎暮らしを考えている都市部の人に向け、移住・定住促進に力を入れる自治体は多い。新宮市の田岡実千年市長は、子育て支援の充実を掲げ、医療費や給食費などの部分での支援を拡大したが、周辺自治体でも同様の取り組みが見られ、それだけでは人口減少を食い止めることにはつながらない。
 
 新宮市は「海・山・川が輝く世界遺産のまち」を掲げている。しかし、今のHPからはその魅力が伝わりにくく、移住につながるとも考えにくい。HPの刷新ならすぐにでもできる。新宮市は以前から「潜在能力はあるが、PRが上手くない」と指摘されることがあるが、自分たちで知恵を絞っても妙案が浮かばないなら、今治市のような成功事例を学ぶことを考えてはどうか。議員も各地の事例を勉強し、当局に対して積極的に働きかけてもらいたい。これからの時代はどのような住民サービスを提供するにも創意工夫が必要。“従来通り”ではなく、視野を広げ、時流を意識した刷新・改革を望む。
 

      9月13日の記事

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