オリンピックの熱狂を引き継ぎ、パラリンピック・パリ大会が開幕した。
パリ五輪で日本は金メダル20個を獲得する大活躍だったが、今回ほどテレビ中継を見なかった大会はない。カネまみれの東京大会に失望したからだ。昔はテレビを見ながら、日本人のメダル獲得に涙したことも何度もある。オリンピックはスポーツの最高峰だと認めていた。
それが東京大会では、大会組織委の元理事が大会スポンサーなどから2億円近い賄賂を受領したとして逮捕され、スポンサー企業や大手広告会社の談合事件も発覚した。「コンパクトで世界一お金のかからない五輪に」と言いながら、汚いカネにまみれた。
開催コストの増大や環境への負荷、商業主義といった負の側面の検証もなく続ける五輪の先行きが、明るいはずはない。スポーツによる平和運動である五輪精神の原点もないがしろにされている。
「ぼったくり男爵」とやゆされたバッハ会長は退任する。IOCの次期会長は、今後の五輪のあり方にメスを入れる人であってほしい。
(N)