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不連続線「生きていける社会」

 紀北町遺族会の細野会長が書いた作文『カレーライス』を読む機会があった。戦後、伯父が駆け回って集めた米で腹いっぱい食べたカレーの味が忘れられないという内容を見ていて、国語の教科書で読んだ『大人になれなかったおとうとたちに…』を思い返した。戦中に配給の弟のミルクを盗み飲みし、栄養失調で弟を失った作者の実体験を元にした話で、子どもに幼い弟を殺させるような社会は、もう地獄としか言いようがない。
 
 貧困に差別、不寛容な仕組み、まん延する誹謗中傷など、現在は時折「生きづらい世の中」と形容されることがある。もちろんまだ解決していかなければならない社会的課題は多いが、ならば「生きやすい世の中」とは果たしていつの時代の話なのか。飢え乾く人が戦中戦後よりも少ない今の日本は「生きていける社会」で、先人が積み重ねてつくってきたものであり、この社会を改善し続けていけばよい。
 
 先の作文を読んだ後、具沢山のカレーを作ってみた。鍋いっぱいの〝おいしい〟は、平和の証拠なのだろう。
 
(R)

      8月14日の記事

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