日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新し、春闘の平均賃上げ率が33年ぶりの高さとなった。賃金と物価がそろって上昇する好循環により、日銀はマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに利上げとなる見通し。経済、金融の面で転換点を迎えたが、正直実感が湧かない。
経済状況や金融施策の評価はさておき、この情勢が地方にもたらす影響を考えてみる。賃上げが大企業だけでなく中小企業にも波及するのかは不安があり、地域格差につながりかねない。物価高騰を起点とした賃上げが徐々に地方に浸透するとしても、紛争や戦争の激化、アメリカ第一主義を掲げるトランプ前大統領の復権、中国の不動産バブル崩壊の深刻化など国際情勢を変化させ得るリスクは多数ある。
マイナス金利解除後も円安が続くのであれば国内観光と国産品の販売の後押しになり、賃上げが広く波及していけば景気もよくなる。地方としては、人の心を打つものを真摯に作り、誘客に知恵をしぼり、来てくれた人を誠実にもてなす、やるべきことは変わらない。
(R)