政治家に求められる能力の一つに、自分の政策や考えを的確に伝えるプレゼンテーション能力がある。説得力のある提案や説明ができるか。地方議会議員に置き換えると「質問力」である。
尾鷲市、紀北町の議会一般質問を傍聴していて、住民の意思を背負った代表であることを忘れてしまっているのではないかと感じることが多い。独りよがりで自己満足の質問ではいけない。質問したという実績だけ残しても何の意味もない。回数よりも中身である。
質問は首長の最初の答弁を聞いてからが本番だ。そこから再質問、また質問を繰り返し、核心に迫っていく。二の矢、三の矢を放ち、自分が求めている答弁を引き出す。そのためには徹底的な事前調査と入念な戦略が必要となる。
一般質問は議員にとって晴れ舞台であるのに、市民の関心が高まらない。共鳴するような質問がないからである。だから議会の存在感が薄く、市民と議員の距離がなかなか縮まらない。この質問で「まちはよくなるか」と自問すべきだ。
(N)