じゃんけんは、老若男女問わず平等に、かつ一瞬で勝敗をつけることができる便利な遊びである。起源はどうやら日本のようで、20世紀に急速に世界中に広まり、カナダでは毎年世界大会も開かれているよう。
じゃんけんは運に左右されるゲームである一方で、心理戦の側面もある。知っている人なら癖を見抜いたり、「自分はグーを出す」などと宣言して相手を動揺させたり、あいこの時にテンポを速くして反射的に同じ手を出させたり。いくら小細工をしても、小さい子に負けることもあるのだが。
そういえば子どものころ、両手をひねって手を組み、くるっとひっくり返して手の中をのぞくというおまじないのようなことをやっていた。どんな穴が見えたら何を出すのかいまいちよく分かっていなかったが、みんなやっていたように思う。
成長するにつれていつの間にかしなくなってしまったが、懐かしくなって、あのポーズをやってみた。あれ?回すとき手首が痛い。覗き込む姿勢がつらい。子どものころは何の苦もなくできていたのに。思わぬところで老いを感じた瞬間だった。
【織】