今年も残すところあと数日となった。今年の尾鷲市、紀北町の状況を概観すると、停滞から抜け出せない年だったと感じる。人口減少が進む中で、基本的にどの地方でも同じ印象になるのではないかと思うが、先行きの見通せなさが人口流出を助長している。
無為無策というわけではない。地域最大の事業体といっていい尾鷲市、紀北町をはじめ、いろいろな人が努力している中、前向きな話題を住民に届けられなかった。
旧尾鷲三田火力発電所跡地に進出の話のある大規模製材工場。6月ごろに経済関係者に聞いた話では「年末までに発表できれば」という期待があったが、原材料の継続的な仕入れの問題とおそらく物価高の影響で、事業計画の策定に難渋している様子。
デジタル化、有機農業、漁業や林業など一次産業に根差した体験・インバウンド観光など、地域活性化の種はいくらかある。人口が減少する中でも、展望があるなら地域は活気づく。製材工場も含め、来年は多くの種が芽吹く年であることに期待する。
(M)