先日、テレビに映った殺風景と言ったらない尾鷲駅前のその姿を見て、秘め事を覗かれたような恥ずかしい気持ちになった。レポーターの芸人は「人っ子一人いない」とぽつり。カメラは閑散とした商店街にも入っていった。
尾鷲の低迷打開は「移民政策」だと言う人がいる。最近、東南アジア圏の人が増えたと実感するが、地域の人と接する機会は皆無といっていい。限られた人付き合いと生活空間を広げてあげる。地域に溶け込んで尾鷲に定住し、所帯を持つことにでもなれば、と期待する。
人口増加策というと、移住者の獲得に躍起になっている自治体が多い。特に子育て世帯を増やしたいという危機感は理解できるが、総人口が減る中で奪い合いに熱を上げても限界がある。必要なのは幅広い世代が豊かさや幸せを感じられる地域づくりだ。
尾鷲でも外国人が水産業をはじめ地場産業に欠かすことのできない人材になる日も遠くない気がする。単に労働力として捉えず、隣人として暮らしやすい環境を整えるべきではないか。
(N)