秋祭りのシーズンがやってきた。ここ数年はコロナ禍で規模縮小などを余儀なくされていたが、今年はいつも通り、にぎやかな声が各地から聞こえてきそう。
20年ぐらい前に、ある地域の祭りの子役の練習をよく取材に行っていた。夜、地区の集会所に集まって、本番に向けて一生懸命がんばる子どもたち。笛や太鼓の音に合わせ、何度も動きを繰り返し確認していた。翌年に役を務める子も一緒に練習に参加して、遊びながら見よう見まねでやっているうちに、知らない間に覚えていくのだという。
数年前に、1人の子どもの母親と再会し、お子さん元気ですかと尋ねると、もうすぐ結婚するとのことだった。当時5歳ぐらいだった子がもうそんな年になったのかと、時の流れの早さに驚くとともに、今度はその子ども世代へと祭りが継承されていくのだなあと不思議な気持ちになった。
私の地元には祭りがないので、地域が一体となって盛り上がる雰囲気がとてもうらやましい。祭りの復活は地域の活力となる。秋空に響く囃子(はやし)に誘われて、今年はどこかの祭りを見物したい。
【織】