おわせ港まつりの花火が途中で中止となり、濡れたままカメラと三脚を抱えて帰る途中、「今年も花火が見えてよかったな」と笑う家族連れがいて、少し救われた気分になった。誰が悪いわけでもないが、2年連続の雨の中での開催に、歯がゆさはある。
悪条件が重なり、1時間の余裕が消えたが、予定を前倒しにすればステージイベントが縮小して熱中症などのリスクも増加する。台風の影響で、悪天候が続く中では延期するにも日程調整が難しい。
おわせ港まつりは尾鷲を広くPRする絶好の機会であり、市民にとっての夏の一大イベントでもある。集客力を高めながらも、市民が気安く楽しめなければならない。これは全国各地の比較的規模が大きい花火大会が抱える矛盾だろう。
打ち上げられなかった花火の一部を、11月に火力発電所跡地で開かれるバイクの一大イベントに流用することはできないか。尾鷲にやってきた参加者を歓迎しながらも、市民も楽しむことができる。〝季節外れの花火〟のリベンジ、検討する余地はないか。
(R)