熊野川河口大橋連結を祝う会が新宮市の丹鶴ホールで開催され、自治体関係者や国会議員らが集い、河口大橋を含む「新宮紀宝道路」の来年秋の開通と、紀伊半島一周高速道路の早期完成に期待を寄せた。あいさつに立った関係者の中には「夢の懸け橋」と表現する人もいた。
本来、一級河川熊野川の規模を考えると、現在の新旧熊野大橋のほか、河口部や中流域にもう1~2本橋があっても不思議ではない。和歌山と三重の県境、さらに近畿と中部の管轄境界という行政の枠組みから、整備が進まなかった事情もある。
動かしたのは民間の力だ。当時、新宮市と旧鵜殿村の住民団体がそろって河口大橋の建設に向けて声を上げた。行政や議会もこれに呼応し、官民一体の組織を平成16年に組織し、要望活動を繰り返す中、同25年に事業化、そこから10年で1本の橋が架かった。
事業化以降のスピード感は政治による力が大きいが、その力を生み出したのは間違いなく地域の熱意。来年秋の開通へ、地域発展の好機を逃さないよう、関係者それぞれが開通後の青写真を描いてもらいたい。
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