今月、いくつかの中学校の職場体験を取材した。「就きたい仕事がない」という話をよく聞くが、仕事自体はある。人口が減少する中で、一生続けられるか、という観点では不安要素もあるが、逆に、担い手が少なくなっている分、仕事に将来性がある分野もある。また、移住してきて起業している人もたくさんいて、「どこかの会社に就職して、退職まで務める」という固定観念から解放されれば、違った見え方もあるように思う。
三重県は観光を産業化しようという取り組みに力を入れている。東紀州は自然を生かした体験観光が新たな仕事になるかもしれない。特に、高付加価値旅行に注目が集まっている。プランの魅力とおもてなしの質をどこまで高められるかがカギだろう。
先日、何人かで岩ガキを食べる機会があった。生ガキを開けて食べるというめったにできない経験で、企画次第で十分な報酬が見込めるのではないかと考えた。仕事でない体験は楽しみになる。それぞれの人の日常のそばに、ツアーの種があるかもしれない。
(M)