体験に勝る学びはない。
北山小の昨年度の3年生の理科の学習「アサギマダラプロジェクト」が、県の「第22回わかやま環境賞」で特別賞に輝いた。北海道から沖縄や台湾まで、2000キロ以上を渡る不思議なチョウ「アサギマダラ」の飛来を期待してフジバカマの花をプランターに植え待ち続け、念願叶って昨年10月にやってきたのである。
毎年、理科のチョウの学習の成果は模造紙にまとめて学校の壁に掲示している。しかし昨年度の3年生2人は元々理科が好きで、先輩がまとめたものを見てすっかりその内容は学んでしまい、興味の対象がさらに先のアサギマダラへと飛翔したようだ。
純粋な興味が学習へと昇華し、結果的に人からたたえられた。松本校長は実際に現地で体験することの大切さを口にした。それは、頭での学びよりもはるかに深く、彼らが大人になっても残る財産であると。
学生時代の学習内容などほとんど覚えていないが、自分の肌で得た感覚は体に残っている。アサギマダラを見つけた日の子どもたちのドキドキが、新しい彼らの一歩を生む。本質的な教育がそこにあった。
【稜】