台風で梅雨前線活発化
梅雨前線や台風2号の影響で2日、新宮市をはじめ各地で大雨警報(土砂災害)や洪水警報、雷・強風・波浪注意報などが発表された。和歌山県では3日明け方まで、土砂災害や河川の増水に警戒が必要。
和歌山地方気象台によると、台風2号からの湿った風が梅雨前線の活動を活発化させたことで大雨になっているという。2日正午現在では県北部を中心に大雨が降っているが、この後雨雲が南下し、2日夜から3日明け方にかけて県南部でさらに大雨となる見込み。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重警戒するとともに、県南部の海上では、2日夜のはじめごろから3日明け方にかけてうねりを伴った高波に十分注意が必要。
大雨警報(土砂災害)などに伴い新宮市の災害対策本部は2日午後1時、警戒レベル3「高齢者等避難」を発令。市内11か所の避難所を開設した。
新宮市内の小中学校では、朝の洪水警報を受けて熊野川小・中学校が9時まで自宅待機後、臨時休校。それ以外の学校は登校したものの、午前10時57分の大雨警報を受け、給食を食べた後、昼ごろに下校した。近畿大学附属新宮高校・中学校も大雨警報を受け、登校後に臨時休校。尾鷲~新宮間の列車が運休となったため、マイクロバスを出すなどし下校を支援した。和歌山県立新宮高校、同新翔高校は朝から臨時休校。
■交通にも影響
和歌山県内の紀勢自動車道では、南紀田辺IC~上富田IC間の延長7.9キロで連続雨量135ミリ(2日午前8時時点)を観測するなど大雨が続いており、規制雨量に達した場合、すさみ南IC~南紀田辺IC間で通行止めとなる可能性がある。国土交通省紀南河川国道事務所は、ドライバーは出かける前に道路情報を確認するとともに、不要不急の外出は控えるよう伝えている。同事務所ホームページなどで確認できる。
JR西日本は2日、京阪神エリア、和歌山エリアの一部線区で昼ごろから運転本数を減らすとともに、最終列車の時間を繰り上げるという。きのくに線では、特急くろしお号が上下計26本の運転を見合わせるほか、新宮駅~紀伊田辺駅間で、新宮駅9時42分発の列車を最後に終日運転を取りやめるなどした。JR東海は紀勢線の多気~新宮間で終日運転を見合わせた。
■中止になる行事も
那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で3日(土)に予定していた「さわかみオペラin紀州勝浦生まぐろ市場コンサート」は、台風2号接近に伴い中止。購入チケットの返金処理は5日(月)~30日(金)の期間、那智勝浦町役場2階観光企画課で、平日午前9時~午後5時の時間で行う。WEB販売チケットは(公財)さわかみオペラ芸術振興財団での返金手続も行う。
那智勝浦町市野々区・八反田区の土砂災害防災訓練も、4日(日)に予定していたが台風接近に伴い中止。また、2日の「古座川国際ロードレース2023」も大雨の影響で中止となった。