新翔高校の進学ガイダンスで、興味深い話を聞いた。われわれの脳には元々、”やる気スイッチ”と言われるような、切り替えの機能は備わっていないという。ではやる気はどうやって出るのか。講師いわく、何かをやり始めるから出てくるのだという。
正直、身に覚えがあってギクッとした。学生時代、宿題を面倒くさがりよく先延ばしにしていた。そのくせ、締め切りの前日に重い腰を上げて一度やり始めると集中力が出てぐんぐんと進み、「なぜもっと早くやらないのだろう」と毎回思うのだ。大事なのは始めることだったようだ。
自分のことを言い当てられたような気分で聞き入ってしまった。そんな中、講師はやる気を出すための作戦をもう一つ教えてくれた。それは、自分の仕事を楽しいと感じている人、やりがいを持っている人に話を聞くことだという。
これは自分もそうありたいと思う上で、学びというよりは戒めである。何気ない日常の中で変化を喜び、挑む姿勢があるかどうか。それがなければ、人の話を素直に聞くことなどできない。油断している腹にぐっとくる取材がありがたかった。
【稜】