熟練の芸術作品並ぶ
第75回熊野美術協会展
第75回熊野美術協会展(熊野美術協会主催)が5月19日、新宮市下本町の丹鶴体育館で始まった。21日(日)までの3日間。時間は午前9時から午後5時まで(最終日は午後4時30分まで)。表彰式は21日(日)午後4時から。
同展は、昭和5年(1930年)の戦前に始まった歴史ある展示会。開催趣旨は、南紀熊野を中心とする地方造形文化の振興を図り、鑑賞愛好の精神を高揚し文化の水準の向上に資することと、各絵画団体や作家の連携を緊密にすると共に、相互の親睦を図り、その発展に期すること。戦時中やコロナ禍で開催が途絶えた時期もあったが、当地方の芸術文化をリードする団体の展示会として毎年開催されている。同会会員になるためには、この展示会で一定数受賞し、一般から会友、会友から会員へと段階を経て推挙されなければならない。
今年の出品者数、出品数は44人46点。内訳は一般14人15点、会友4人4点、会員26人27点。油絵やアクリル画など多様な作品が並び、サイズも30号~150号とさまざま。風景画や人物画、抽象画など、レベルの高い作品がそれぞれの世界を繰り広げている。
18日には会員らが集まり、展示準備を進めていた。審査もこの日行い、一般対象の熊野美術協会賞、佐藤春夫賞、西村伊作賞、浜口勇一賞(新人賞)、会友対象の杉本義夫賞(会友賞)、会員対象のM氏賞(村井正誠賞)の賞各1点を決めた。
同協会の清水雅昭会長は開催の思いを「たどれば90年以上経つ歴史ある展示会で、開催できることに意味がある。作品も大きい物が多く、自宅で趣味で描ける範囲のものではないので、鑑賞の機会を地域に還元できたら。また若い人も、これから頑張ってもらって、上手かどうかは関係なく、(描くのが)好きな人は応援するので参加してもらいたい」と話した。来場者に向け「3日間お披露目となりますので、好きな方にぜひ訪れてもらえたら」と呼び掛けている。
入賞作品・入賞者(敬称略)
【一 般】
▽熊野美術協会賞(第一席)
・「Synapse」
竹原 愛(那智勝浦町)
▽佐藤春夫賞(第二席)
・「不安」
鈴木多起子(御浜町)
▽西村伊作賞(第三席)
・「オーストリア in ウィーン PART2」
前田 京子(新宮市)
▽浜口勇一賞(新人賞)
・「リサイクルアートLet's go fishing」
西村 正也(新宮市)
▽会友推挙
・「0.1」
古川 哲平(新宮市)
・「廃屋V」
北地 倶成(御浜町)
・「白夜の夜」
岡﨑 和子(新宮市)
・「春野菜」
小林真由美(熊野市)
【会 友】
▽杉本義夫賞(会友賞)
・「春の泉」
藤本 深恵(太地町)
▽会員推挙
・「風音」
田中 掬代(那智勝浦町)
【全 体】
▽M氏賞(村井正誠賞)
・「Synapse」
竹原 愛(那智勝浦町)
▼イベント情報
- 日時
~5月21日(日)
午前9時~午後5時 - 場所
丹鶴体育館(新宮市下本町)
表彰式
- 日時
5月21日(日)
午後4時~