「ここをきれいにしておかないと、定置網漁で魚がとれなくなったりごみが入ってしまったりするからね。山をきれいにすることで海がきれいになるんです」ー。宇久井海と森の自然塾が23日、宇久井ビジターセンター近くの地玉(じごく)の浜で清掃を行った。会員の言葉が印象に残っている。
いわく、山も浜も海もつながっているという。私は浜のきれいさに「やはりこの場所を守っていきたいというお気持ちでしょうか」と尋ねたのだが、彼が見ているのは周辺の環境全体であった。「魚も減ってきたみたいだけどね」と顔をしかめる。
自然が全体で大きな循環を成して恵みをもたらしているのなら、いわゆる“環境問題”もそれぞれの出来事が別々に起きているのではなく、むしろ全体のつながりの中で考えなければいけない。人の想像も及ばないような事柄同士が結びついているのなら、もはやどんな些細な行いも原因となり、大きな結果を引き起こし得ることが考えられる。植樹も伐採も、ごみ拾いもポイ捨ても、ご飯を残さないこともだ。
地玉の浜に打つ波音が今も脳裏に残っている。
【稜】