尾鷲魚市場で行われた棒対決はあいにくの雨だったものの、盛況だった。おわせ棒とこだわりきほく棒の一騎打ちは接戦の末ホームの尾鷲が勝ち、「開催地が優勝する」という流れを守った。
「地域愛とプライドをかけた食対決!」がうたい文句のこのイベントは、つくづくよくできていると感心する。地元名産などには特にこだわらず、条件は「棒状」で「普段の商品をアレンジしたもの」で、商品のPRになる。値段も手頃なので手を出しやすく、実際に食べて気に入れば隣町でも行こうかな、と足を伸ばす気にもなる。
同じチームはもちろん、違う市町の店や商品を知るきっかけになり、事業者同士の交流促進にもつながる。投票で順位を決める参加型のイベントで、地域愛を訴えながら客と店を巻き込んでいくコンセプトは秀逸。
コロナ禍で4年間中断したが、良質なコンテンツは中断を物ともしない力強さがある。今後は東紀州、あるいはさらに輪を広げるような取り組みがあるかもしれない。これからもおいしい取り組みを期待したい。
(R)