和歌山県の岸本周平知事が19日、新宮市の丹鶴ホールで地域住民として商工会議所青年部の幹部らと話し合うタウンミーティングが行われた。住民との意見交換は、三重県の一見勝之知事も今年、紀宝町で子育てする母親の意見を聞く「円卓対話」などを行った。現地の生の声を聞く趣旨がある。
両方を取材させてもらったが、岸本知事と一見知事の比較でみると、どちらも気さくに話しやすいという点で共通している。これは対話をしに来ているのだから当然なのかもしれないが、対話に来ようという姿勢自体が地方にとってはありがたい。
双方の違いは、一見知事が足元の具体的な施策をベースに話すのに対し、岸本知事はビジョンをベースに話していた点である。一見知事の対話相手が子育て中の母親に絞られていたので一概に比較はできないが、極端に言い換えれば”現実ベース”の一見知事と”理想ベース”の岸本知事という構図にも見える。
短期的な現実の視点と長期的な理想の視点はどちらも大切。新宮市議選も佳境を迎える。政治家には、地に足の着いた理想を語り、実行してもらいたい。
【稜】