しばらく前、読者の方から手紙が届いた。10年前から長茂会の施設に入所していた96歳の母が亡くなったという。手紙には施設の職員、関係者への深い感謝の言葉が書き連ねられており「本当に、すべての皆々様の協力なくして、母の長寿はあり得ませんでした」などと記されている。
障害者や高齢者、子どもなどへの虐待のニュースが相次いでいる。「母は、当施設で大切にしていただけたのだと、私たち兄弟、心より感謝しております」。
施設で虐待などを受けないのは、本来は当然のことだが、残念ながら多くの事件が起こっている。報道される事案は氷山の一角と言える。個人的な話で恐縮だが、高齢の父、母の認知機能が低下してきた。いらいらしてはいけないと思いつつも、口調が荒くなることもしばしば。
安心して暮らせる場所であるためには、病院があるとか福祉施設があるなど、いわゆるハードがあるだけでなく、そこで働く人を含め地域の人の優しさ、おもいやりの心が必要。そのような人が多い土地柄であるのは誇れることだ。
(M)