紀北町議会は来年度の当初予算のうち、東紀州環境施設組合の負担金を削除した。元々広域ごみ処理施設については、建設予定地の近隣住民の理解が得られていないことを問題視していて、このまま進むことにNOを突きつけた、と言える。
建設予定地と住民の説得は本来尾鷲市がするべきで、今は環境影響調査の結果を待つしかない。果たして反対している住民の理解を得られるのかは不透明で、建設予定地の代替案も今はない。
提案した議員は「脱退は考えておらず、一度立ち止まって考えるべき」と提案理由を述べたものの、住民の理解が得られていないことを問題視して予算を止めた以上、それが解決しない場合は理屈としては脱退も選択肢に入ってくる。町単独の場合は単純に考えれば建設費も運営費もかかり、町民への説明責任も発生する。議会としても覚悟が必要な決断である。
脱退については規約になく、今回の予算削除が直ちに組合脱退につながるとは思わない。それでも脱退の可能性が出てきた以上、紀北町としてごみ処理をどうしていくか、コストや建設予定地も含めて考える必要がある。あらためて、議会の決断は重い。
(R)