紀北町議会の教育民生常任委員会は、主に広域ごみ処理施設建設計画について異論が集まり、当初予算案を「否決すべき」とした。本会議最終日に議決されるが、仮に当初予算が否決されれば、異常事態と言える。
元々、広域ごみ処理施設建設計画は、一般質問や全員協議会でよく取り上げられてきたが、執行部は「建設予定地や代替の球場建設については尾鷲市の所管事項」などと答えるしかなく、もどかしい議論が続いていた。
単純に是非や賛否が割れているというより、「反対している住民に納得してもらえる機会をつくるべき」「処理方式が時代の潮流にあっていない」「そもそもごみの減量化の施策を進めるべき」と各議員で意見が異なっているという印象。それらの意見も納得できるのだが、執行部が主張する広域化によるコスト削減のメリットは大きく、環境負荷の軽減にもつながる。
議論を聞いてきて、ごみ問題は生活と環境に直結しており、哲学や信条がよく表れるテーマである。環境に十分に配慮し、住民の万全の理解を得て、コストもしっかりと削減する、全てかなうのが一番だが、現実問題としては難しい。議会の結論を見守りたい。
(R)