所用で田辺市本宮町に出向いた時のこと。用事を済ませて駐車場に戻ろうとすると、リュックを背負った外国人がキョロキョロしながら向こうから歩いてくる。目があった瞬間、動揺しまくる私。「クマノコドウ?」と聞かれ、「アイドントノウ。バット(指をさしながら)あそこケーキショップ。プリーズヒア」と答えるのが精いっぱい。
その外国人は私の無能さを察してくれたのか、スマホのマップを片手に、「オッケー。サンキュー」と言って去っていった。自分の英語力のなさに落胆して「ソーリー…」と後ろ姿を見送っていると、すぐそこに熊野古道入り口の看板。その人は、あったよとこちらに笑顔を向け、元気に石段を上っていった。
コロナが落ち着きを見せ始め、外国人観光客も少しずつ戻ってきていると聞く。もしかしたら今回のような場面に遭遇する機会が今後もあるかもしれない。今回とっさのことでビックリしてしまい、うまく会話ができなかったが、事前準備をしておけばもう少しましな返答ができたはず。欲を言えば、「楽しんで」「気を付けて」など気の利いた声かけもできたら。
【織】