新宮市社会福祉協議会の福祉委員研修が16日に行われ、委員42人が参加する中、上富田町の地域交流の活動「まちかどカフェ」について、同町の当事者らを招いた講話と交流があった。その中で、上富田町で約30か所の地域交流拠点としての「カフェ」を住民主体で長く継続できているのは、公民館などの施設が基本的に無料で使えるためだとし、新宮市でもそのようにならないかという声が委員らから上がった。
新宮市での公民館などの施設は基本、利用者負担。委員の一人は「毎月何かしようと思っても、毎月お金がいる。今まで考えたことがなかったが、市もサロンなど推奨してくれているのなら、われわれも地域のためにやっていることなので、考えてもらえないかなと思った」と話した。
「地方」の人口減少は、よりミクロに「地域」で見ると一層差し迫った問題として見えてくる。人は減るが会費は上げられない町内会、継ぎ手のいない町内会長、一人暮らしの高齢の隣人に声をかけ続ける人など、それぞれ善意で続けている。行政はお金のないふりが得意だ。目立つメニューばかりでなく、足元の施策を見つめてもらいたい。
【稜】