約50人の報道陣が集まる中、緊張の瞬間。第95回選抜高校野球大会の21世紀枠候補校として、春夏通じて初の甲子園出場を目指した三重県立木本高校だったが、今回は残念ながら選ばれなかった。選考委員会の発表の瞬間をオンラインで視聴していた校長と監督は無言のままうなずいたり、目を閉じたりしていた。歓喜の瞬間を収めようと待機した報道陣からも落胆の様子が見えた。
主将は選ばれなかった悔しさをにじませながらも、「夏は必ず」の強い決意を示した。あわせて、OBや地域など支えてくれたことへの感謝の気持ちを繰り返していた。本来なら気持ちが沈むところ、報道陣の質問に前を向いて一つ一つ丁寧に答える姿に感動した。
地元から甲子園へ。主将の言葉を聞いていると、自分たちの夢と地域の夢を重ねているように感じた。夏に向けての課題もしっかりと見据えている。攻撃力を強化し、1試合で5点取る打線を目指す。投手力はある程度計算できるだけに、得点力が上がれば昨秋に敗れた強豪校とも互角の勝負ができる。主将の言動を見ていると、夏に木本旋風が巻き起こる可能性を大いに感じた。
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