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紀南抄「感謝して生きる」

 「いただきます」と言って食前に手を合わせ、ご飯を口にする。小さなころからやってきている習慣である。

 太地町の飛鳥神社で2日にあった「新成人の御祈祷」では、高橋正樹宮司が二十歳の節目を迎えた若者に談話。神話で天御中主(あめのみなかぬし=世の中心)の神の次に出てくるのが結びの神様で、「むすび(蒸す、ヒ=魂)」によって魂がカビが生えてくるように蒸されて出てくる、そういう目に見えない力によってわれわれが生かされており、節目節目に感謝するというのがわれわれの先祖が考えた神様であると話した。

 また玉串をささげる意味について「感謝の気持ちをいくら思ってもわからない。それを表現する。行動と心、”カタ”と気持ち(=魂、チ)が一つになって『かたち』になる。振袖やスーツを着ているのも、成人になった決意の表現なんです」と話した。

 18日には宇久井小でジビエの出前教室があり、害獣とされ捕獲されたイノシシやシカを食肉や革などに活用することで命を無駄にしない取り組みが紹介された。

 食後には「ごちそうさまでした」と膳に手を合わせる。改めて、感謝の中に生きたいと思う。

【稜】

      1月19日の記事

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