串本町田原にある日本初の民間ロケット打ち上げを目指す発射場「スペースポート紀伊」の報道初公開の現場を取材した。
第一感としては、思ったより小規模という印象を受けた。悪い意味ではない。宇宙事業会社「スペースワン」は部品を限りなく少なく、工程もできるだけシンプルにすることで低コスト、最短・最高頻度の打ち上げを可能にし、「宇宙宅配便」の実現を目指しているという。そのため自社開発のロケット「KAIROS(カイロス)」の機体外径は1.4メートルと印象より細長く、発射地点も必要なものが最低限そろった設備なのだろう。
また、話を聞いていてカウントダウンはロケット自身がするということも印象的だった。担当者は「よくドラマや映画で人がボタンを押していますが、うちのロケットは自分で打ち上げを判断するようプログラムしています」と話した。機体の状態が万全かどうかなど、機械でわかる範囲は全て機械が自動で制御するという。管制室では上空の風の状態や周囲の警戒区域のチェックなど、人でしかわからないことをチェックする。
白煙を上げ、串本の空を飛び立つ日が楽しみである。
【稜】