小中学生の作文を掲載する場合、基本的に子どもたちが原稿用紙に書いたもののコピーを会社でカタカタと打ち込むことになる。打ち間違いなどで気を遣う必要がある作業ではあるが、実は仕事としては好きな部類に入る。子どもたちの明快さと思慮深さに感心しながら読んでいる。
先日から紀北町の4人の中学生による平和祈念作文を掲載しているが、内容が心に染み入るようである。特攻隊や原爆など、作文にある日本の悲惨な歴史は知識として持っているが、「戦争がない世界になってほしいという気持ちが皆あるはず」「戦争は誰の得にもならん」などの言葉に目が覚める。
ロシアによるウクライナ侵攻は、戦争はいけない、平和が大切、という当たり前が理不尽に打ち崩された。正直ショックはあったし、子どもたちはなおさらだったと思う。だからこそ、それでもなお子どもたちが平和を訴える今年の作文は心に響くものがあった。
日本も北朝鮮のミサイル発射が続き、台湾有事の可能性も示唆されている。現実問題として平和をどう堅持していくか、という議論は必要だが、その中でも「戦争はいけない」という当たり前を忘れてはならない。
(R)