尾鷲市議会は11日の臨時会で、前教育長の再任を求める人事案に「不同意」の結論を出した。教育長候補の人事が認められないことは極めて異例だろう。
幼稚園の3年保育については、手続き上の問題のほか、市議会が陳情を採択しているにもかかわらず、幼稚園廃止・認定こども園設置という大きな変更を決めたことで問責決議が可決されている。半面、給食センターも同様だが、教育内容とは別種の執行部としての意向が大きく影響する問題。
学力向上の分では、指導力が発揮されていないとの趣旨の指摘があったが、トップが具体的な方針を示す指導力の示し方もあれば、大方針を決めて現場に任せるやり方もある。
議場で傍聴していて、今回の人事案は〝減点方式〟で否決された印象を受けた。それだけに次の教育長の引き受け手がいなくなるのではと危惧する。個々に問題があれば、注文を付けた上で再任を認めるという方法もあったし、不適当な意思決定をしないよう、今後議会が関与を強める手法も取れた。結果的に任期切れにしてしまった市長にも不手際があったが「不適任」としたのは熟慮の結果か。市議にも市民にも問い直したい。
(M)