先日、南紀熊野ジオパークに関して、日本ジオパーク委員会は、世界ジオパークへの推薦見送りを決めた。串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターでは、同委員会の決定の連絡を待つべく、ガイドら関係者が集い、報道陣も多く訪れた。
電話で結果を伝え聞くと、集まったガイドに落胆の様子も見えたが、会長は「正直残念、少し助かった」と気持ちを表現していた。世界に打って出るにはもう少し時間がかかるとの認識から「少し助かった」との思いが出たとのこと。地域を巻き込みながら認知度を高め、一人一人のガイドのレベルアップも図る考えを示していた。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」もそうだが、対象区域が広域にわたるため、PRが難しかったり、地域での理解に温度差が出たりする。今回、世界推薦は見送られたが、日本での価値は再認定されたように、素晴らしい地質遺産があるということ。紀南地方の10市町村に107のジオサイトがあり、全てを巡り理解することは難しいが、せめて自分の住んでいる地域のジオサイトに興味関心を注いでみてはどうか。それが数年後、世界に打って出る第一歩になる。
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