三重県が新たな県立大学の構想を持っていることについて、県北部のグループと県南部のグループで綱引きが始まっている。1か月ほど前、両グループが一見勝之知事にそれぞれ要望を行った。
北部のグループは四日市市が中心。すでに大学がある津市や鈴鹿市は入っていないよう。JR四日市駅周辺を再開発するのに合わせ、四日市市が製造業の集積地でもあることから「ぜひウチに」と。
南部グループは、東紀州5市町を含め、松阪市、度会町など15市町が名を連ねる。伊勢市は、皇學館大学があるからかメンバーにはなっていない。要望書では場所に触れず、「南三重地域は地理的な条件不利地域もあり、高等学校卒業後に大学進学を希望する生徒の多くが転出し、大学卒業後も地元に戻らず、県外で就職することが多い現状がある」として、南部に大学が設置されれば「就学の面のみならず、地域の活性化や人口減少対策、若者定着についても大きな効果があることは明白」と訴えている。
地域社会は全体として人手不足。大学ではなくとも、県の農業大学校のような、農林水産や土木建築、工業などを学べる高等教育があってもいいのではないか。
(M)