「携帯電話は電源をお切りになるかマナーモードへの設定をお願いします」。演奏会や講演会等の催しの際、主催者から来場者に対して呼び掛けられる注意事項だ。当方もこのようなイベントをはじめ、学校や各種会合などさまざまな場面に取材に出向くが、着信音が進行の妨げになるような取材では必ずマナーモードに切り替えている。
先日、ある行政機関が主催するモニター委嘱式の最中、携帯電話の着信音が鳴った。しばらく鳴り続け、職員が周囲を見渡すと、あいさつ中だったこの行政機関の長が上着の胸ポケットから携帯を取り出し、その場で応答した。「おめでとうございます」などと少し話しながら退室。3分ほど経過したころ電話が終わって部屋に戻り、途中だったあいさつを結んだ。
主催事業で住民の出席を求めている中、しかも自身のあいさつ中に電話をとって退席するという前代未聞の行動。立場上、災害発生など緊急の電話であれば今回の行動もやむなしと言えるが、どうやら緊急性は感じられない。その場にいて不快に感じた住民もいるかもしれない。非常識であきれたというのが正直なところで、今回記させてもらった。
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