日本銀行の黒田東彦総裁が「家計の値上げ許容度が高まっている」と発言。猛批判を受けて発言を修正した。物価が上がっても、給与など手取りの収入が増えればよいが、そうでない状況の人が多い。収入が一定なら、必要なものの価格が上がれば、そのほかのものを買い控えるしかない。
消費された金額の全体を見ると、以前と変わらない数字が出てくるだろう。一方、ある商品やサービスの購入は落ち込むことが予想される。現時点で影響が出ていなくても、2~3か月後に「始末(節約)した結果」が見えるはずだ。
地方はより厳しい。大企業がなく、景気も悪い状況が続く。年金生活者は物価が上がっても支給額は抑制される。より消費が落ち込んでしまう懸念がある。
まもなく参議院議員選挙が公示される。経済政策が一つの大きなテーマとなるだろう。日本全体を見ることはもちろん大切だが、地方の状況に配慮した政策を求めたい。一人一票を突き詰めると、どうしても都市部選出の議員の数が多くなる。都市部の人の視線は地方の暮らしに向きにくい。都市部が地盤の候補者にこそ、地方支援に力をいれてもらいたいものだ。
(M)