国道168号を新宮から本宮方面に走行していると、途中の路側帯や道の駅に「公衆ゴミ箱」が設置されている。同路線への不法投棄への対応に苦慮していた管理者の和歌山県が昨年、実験的に実施。効果を検証したところ、設置前に比べ沿線全域でごみ種類別に25~40%程度の削減効果が認められた。
それまでは「ポイ捨て禁止」の看板などを設置していたが、それだけでは抑止効果につながらなかった。県が投棄者を特定し聴取したところ、「ほかにも捨てられていたから」「深く考えずについ」といった声があった。許される行為ではないが、常習者でない限り、捨てる場所があればきちんと分別して捨ててくれるという考えのもと、公衆ゴミ箱の設置を決めたという。
このごみの回収には公費(税金)が充てられていたが、今後は先日関係機関・団体によって立ち上げられた国道168号美化協議会で行う。活動趣旨に賛同する賛助会員から寄せられた会費により、障がい者団体が維持管理を請け負うことになる。官民協働でごみゼロを目指す。うまく機能するようであれば、ほかの路線での導入も検討してはどうだろう。
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