尾鷲市や紀北町など紀伊半島南部は世界でも屈指の多雨地帯で、生まれてこの方、基本的に飲み水に困ったことはない。ありがたいことに、水道の蛇口をひねれば水が出る。一度災害で1週間程度、不便な思いをしたが、山にはわき水があった。
日本は「安全と水はただ」と言われる世界でも珍しい国である。実際には安全にも水にもお金を払っているが、普段は意識をすることがない。また、個人レベルでは水道代は極めて安価だ。
昨年から今年にかけ、水の大切さを感じられるニュースがいくつかあった。和歌山市で昨年10月、水道橋の水道管が腐食して落下。約6万戸で断水した。飲み水ではないが5月17日には愛知県豊田市の取水設備で大規模漏水が発生。工業用、農業用の給水がとまる事故があった。全国的には漏水による道路の大規模陥没も発生している。水道施設の老朽化は社会的な課題。各市町とも計画をさだめてこつこつと更新しているものの先が長い。
水道は人間が生きていくために非常に大切な社会インフラである。1日から7日までは「水道週間」。せっかくの機会。水の大切さに少しだけでも意識を向けたい。
(M)