バタフライ効果という言説がある。とある気象学者が「ブラジルの一羽の蝶の羽ばたきが、テキサスで竜巻を引き起こすか」と問いかけたことに由来するもので、ほんの些細な出来事が徐々にとんでもない大きな現象の引き金になることを示唆する。
近大附属新宮中学校・高校の生徒会がウクライナへの募金活動を行った。話を聞くと、未成年だとしても、小さくてもなにかできないかと行動しているということがひしひしと伝わってきた。
遠いウクライナの人々のために、日本の新宮市という土地から行動を起こした中高生がいる。その事実が、胸の内にほのかに熱いものを感じさせる。生徒らの心の内を直接見ることはできないが、想像はできる。ウクライナで戦争が起きていることを知り、「自分は未成年だし」「動いてなにか変わるのか」などいろんな葛藤を抱えながら、それでもできることを行動に移そうとしたのだろう。
生徒会三役らが募金で立っていた午前7時50分からの30分は、生徒だけでなく多くの車や自転車が通る時間帯。雨の中で活動するその姿を見た人も多いと思う。彼らのあの行動で、きっと何かが変わっている。
【稜】