クロスボウ（ボウガン）の所持を原則禁止し、都道府県公安委員会の許可制とする改正銃刀法が１５日に施行された。所持できるのは射撃競技や動物麻酔などの使用目的に限られ、現在所有している人は半年以内に許可を申請するか、廃棄しなければならない。不法所持や目的外使用には３年以下の懲役または５０万円以下の罰金が科せられる。

　背景にあるのは兵庫県宝塚市で２０２０年６月に４人が殺傷された事件。その後も７月に神戸市で、９月に長野市でけがを負わせる事件が発生。警察庁は同年１２月に所持を許可制とする方向で銃刀法改正を検討すると発表し、昨年６月８日にクロスボウの使用及び販売の規制、所持の許可制を定める改正銃刀法が成立した。

　凶悪事件による規制強化で思い出すのが、秋葉原の無差別殺傷事件を機に、平成２１年１月５日から所持が禁止となったダガーナイフなど両刃の刃渡り５.５センチ以上の剣。当時、カキ生産者がカキナイフの交換を余儀なくされた。

　ボウガンの規制はナイフのような影響はなさそうだが、ごく一部の狂気が思わぬ不便をまき散らすのは世の常。ボウガンを持っている人は早めに警察へ相談を。

（Ｊ）