尾鷲市のキャッチフレーズの一つに「子どもは地域の宝 育てる・守るは地域の役割」がある。子育て支援が叫ばれて久しい。もちろん、親の役割が一番大きいが、地域の有形無形のサポートは欠かせない。何かあったら頼れる状況があるのは、知らず知らずに支えになる。
最近、児童虐待の報道が多いと感じる。子どもが亡くなる事案も後を絶たない。両親、とりわけ母親に支援の手が差し伸べられていれば救えた事例を聞くと、とても悲しい気持ちになる。
「貧すれば鈍する」ではないが、困っているほど必要な情報にアクセスできないという傾向があるらしい。子育てだけでなく、日々の生活や仕事も、目の前の問題に対処するだけで疲労困ぱい。その状況が何日も続くと、精神へのダメージが蓄積する。
困っている人に対して、支援メニューを用意しても、そもそも支援情報が届かない可能性がある、情報を得ても利用する時間やお金がないことも。支援の該当者に、行政や社会福祉協議会が積極的に手を伸ばす取り組み(アウトリーチ)が行われている。「困っている人を過ごしやすくする取り組み」は、国を挙げて解決を目指す必要がある。
(M)