記者会見に行った。新宮市が市営住宅の家賃の算定を8年ほど誤っていたことがわかり、その説明と今後の対応について会見を開いたためだ。
どうして記者が一番先に知らされるのだろうと、考えた。優先的に過大・過少の請求が発生し、今後対応が必要となる対象市民に知らせても良さそうなものだが。しかし考えて、一つ答えが浮かんだ。それは、メディアのもつ「行政の監視」という役割である。
行政機関は住民が税金を出し合って運営している。そのため住民はそこで何が行われているのか、知る権利がある。その先頭で、いわば住民の代表として監視するのが議会とマスメディアになるのだろう。時には厳しい視点で追及することが公のためになる。そしてそこから新たな提案を行うのが議会なら、そこから広く周知するのがマスメディアだ。マスメディアは一般企業として、「購読」というある種の投票を経てその役割を担っている。
今回の家賃の一件は、対象外の市民にとっても「行政のミス」という点で見過ごすべきでないということで、先に記者が知ることになったのだ。その最前線に立つ記者としての責任を、改めて感じた。
【稜】